| 第1号 (4月25日発行) |
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★ はじめに 「不思議のペドロランド」に読者登録をいただき、どうもありがとうございました。これから無期限に渡り、ペドロランドで起こる出来事とそれに関する筆者の素朴な感想を発信していきます。筆者の発行するもう一つのメールマガジン "Anglo-bites" (イギリスつまみ食い)からお越しくださった方も多いと思いますが、こちらは筆者も軽い気持ちでかなり無責任に書いていきますので、読者の方も軽くおつきあいいただければ幸いです。 さて、前置きはそのくらいにして、早速ペドロランドの住人のご紹介からしていきたいと思います。 ★ ペドロランドの住人たち ペドロランドの住人の40%はドイツ人。このほとんどが、スペインの家は別荘として利用している人たちである。これに対して、13%を占めるイギリス人の大多数はここを定住所とし、1年のほとんどをスペインで過ごしている。残りの47%は、オランダ人(11%)、スウェーデン人(10%)、ノルウェー人(3%)、ベルギー人(3%)など。スペイン人は10%弱を占め、レオン地方出身の人が多いようだ。 ペドロランドには、住民管理組合というのがある。つい先日までは会長はスペイン人であった。少数派からの代表であるが、現地で顔のきく(なんといっても言葉が通じるのが強み)スペイン人を会長に立てるのが当地では常識だそうだ。副会長及びその他の役員はイギリス人であった。定住者が多いことの強みと言えよう。ところが、先日の波乱の年次総会で、役員の顔ぶれはがらりと変わることになった。 圧倒的にドイツ人が多いペドロランドなのだが、そのドイツ人の評判はいまいち。お隣りのオランダ人とお向かいのオランダ人がそっと小声でうちの夫に尋ねたのが「ドイツ人好き?」好きって聞かれてもねえ・・・。斜向かいヘルムートとアナもドイツ人、お向かいのウィルフレッドとエベリンもドイツ人である。2軒ともとてもいい人たちだ。 オランダ人のドイツ人嫌いはかなり有名らしい。先日もEUの調査結果が新聞に出ていたが、ドイツ人が嫌いなオランダ人はかなりのパーセンテージにのぼっていた。戦争のせいもあるのかもしれないが、性格的なものもあるのかもしれない。オランダ人は結構リラックスしていて、外国では外国のやり方があるからしかたがないと考えるようであるが、その点、ドイツ人は外国でもなんでも自分のやり方を通して、決して譲らない。自分の権利をとことん主張する。とにかく押しが強い。ドイツ人が外国で評判があまりよくないのは、このへんが理由になっているのではないかという気がする。でもこれを逆に取ると、苦情や不平・不満を言わせるならドイツ人に限ると言えるだろう。ペドロランドに電話がなかなか入らないのには泣かされたが、スペインの電話会社・テレフォニカを相手取って訴訟を起こしたのは近隣の町のドイツ人住民であった。 前述の住民管理組合の年次総会では、住民数では多数派でありながら、これまで役員が出ていなかったドイツ人が一気に前面に出てきた。管理会社に嵐のような不信任投票をつきつけ、いったんは年次総会解散となった。ところが退場する現管理会社と入れ違いに、現体制反対派は自分たちが新たに選んだ管理会社を送り込み、総会は反対派のみで続行、ここから会長及びその他役員が選出・承認された。まるで会社の乗っ取り劇のようである。こうして、ペドロランドでは初めてスペイン人を全く含まない、ドイツ人とイギリス人だけの委員会が発足したのだった。この時の勢いといったら、そのままポーランドに侵攻するのではないかと思われるほどの激しさであった。 ところが、ドイツ人と十把一絡げに言っても、全員が一致団結してクーデターを起こしたわけではない。現体制賛成派と反対派に分かれ、ドイツ人の妻を持つイギリス人・スティーブの実況解説によると、一時は「黙れ!」という過激な発言まで飛び交うほど険悪な雰囲気となった。平和を愛するオランダ人たちは、この時点で席を立ってしまった。その一方で、こうした対立をおもしろがっているドイツ人もいる。団結するということがないというのもドイツ人の特徴の一つのようである。 前にも述べたように、ご近所のドイツ人はそれはいい人たちである。偏見というのは、人間を個人で見ないで、民族・人種をステレオタイプ化するところから生まれるものである。 と言っておきながら、こんなことを言うのも何なのだけど、オランダ人には変わった人が多い。お隣りのアリーとトーシュ、お向かいのヤンとティーニ、お隣りに泊まりに来たアリーの友人のヴィムとマリオも、みんなただ者ではなかった。みんなフレンドリーなのだけど、誰も普通ではない。イギリス人には普通の人っているのだけど、わたしの知る限りではオランダ人には普通の人はいない。もしかすると、オランダでは「普通」の基準が違うのかもしれない。 その変わっているオランダ人の隣人が変わっているというのが、ペドロランドの住人でもあり、彼らの友人でもある、通称オーパ(おじいさんという意味らしい)の息子。なんでも著名な環境学者なのだそうであるが、スペインまで来て毎日、本を読んでいたということである。その理由は車を走らせるのは環境によくないから。この近所、バスも通っていないし、公共の交通機関はゼロである。というわけで、スペインまで来て毎日本を読んでいたわけである。太陽の下で読む本はまた違うのかもしれないが。 ステレオタイプといえば、アリーとトーシュは絵に描いたようなオランダ人だ。母国では自転車店を経営していた。有名チェーン店がその店を買い取ったので、現在は、一年のうち半分をスペインで過ごす、悠々自適の引退生活を送っている。もちろん、ここスペインでも彼らにとって、自転車は重要な交通手段であり、サイクリングは趣味でもある。彼らの娘のボーイフレンドは、昨年ビルから身を投げて若い命を絶った。ドラッグが原因ということで、これもまたオランダ的である。 といったところで、次回はわたしと最も縁の深いイギリス人についてです。 |